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新しくなった Firefox のスタートページとタブページを紹介します

今日 (日本時間深夜) リリースとなる Firefox の最新版で、Mozilla のユーザエクスペリエンスチームは 2 つの機能を再設計しました。それは「スタートページ」と「新しいタブページ」です。スタートページは、(ホームページを変更していなければ) ツールバーにあるホームボタンをクリックするか、Alt+Home キーを押すか、ロケーションバーに「about:home」と入力することで表示できます。新しいタブは、タブの右隣にある「+」ボタンをクリックするか Ctrl+T キーを押したときに表示されます。

Firefox の新しいタブページ

Firefox の新しいスタートページ (赤枠で囲んだ部分がショートカットアイコンです)

これまで、Firefox のスタートページと新しいタブページはごくシンプルなものでした。スタートページには、大きな検索バー、Mozilla がユーザの皆さんに向けたメッセージを表示する「スニペット」、他にいくつかのリンクがあるだけでした。スタートページに検索バーを配置している主な理由は、多くのユーザが、画面右上にある検索バーに気付いていないのかそれを使いたくないのか分かりませんが、ホームボタンをクリックして検索を始めようとするからです。スニペットは、新しいベータ版のお知らせなど、Mozilla が皆さんに直接伝えたいメッセージを表示するために使っています。こうしたメッセージは、通知を出して皆さんの作業を中断させるほどの緊急性はありませんが、時には重要な内容が含まれる可能性もあります。

新しいタブは、Firefox 史上ほとんどの期間、完全に空白のページでした。これは、ブラウジングタスクを新たに始めるためのさっぱりとした新しい「シート」をユーザに提供するため、意図的にそうしていたのでした。しかし、空白のページは気をそらさせるものではないかもしれませんが、役に立つものとも言えませんでした。

そこで、空白ページよりも役に立つ内容を提供できないか検討を行うことにしました。Mozilla Test Pilot ツールを使って、Firefox ユーザが新しいタブをどのように使っているか、調査を開始しました。その結果、平均的な Firefox ユーザは毎日 11 個新しいタブを開いており、新しいタブ 1 つにつき 7 ページを読み込み、2 つの固有ドメインを訪れるということが分かりました。新しいタブには、ユーザが閉じるか別のタブに移る前に、平均して 2 つのページが読み込まれていました。

こうした調査から私たちが学んだことは、ユーザは新しいタブを何度も開いているものの、そこから少数のよく訪れるサイトへ戻る可能性がとても高いという実態でした。そのため、最もよく訪れるサイトへすばやくアクセスできる機能を新しいタブ上で提供してみることにしたのです。

Firefox の最新版では、新しいタブページを開くと、最もよく訪れるサイト (トップサイト) が大きなサムネイル付きで一覧表示され、URL を入力したり、それらのページへ移動したりする時間を減らせます。このデータは、Firefox のスマートロケーションバーに文字を入力すると逐次表示される推測候補と同じく、ユーザのブラウジング履歴から生成されます。新しいタブページを開いた直後はロケーションバーにフォーカスが当たっているため、どこか新しいサイトへ行きたい場合も、即座に URL か検索語を打ち込んで移動することも可能です。トップサイトを一時的あるいは恒久的に隠したいときは、ページ右上にあるグリッド状のアイコンをクリックすれば、新しいタブを空白ページに切り替えられます。

スタートページもデザインを一新しました。目立つ検索バーとスニペットは残しつつ、デザインはより柔らかく、文字はより読みやすくしました。ページの下に並んでいるショートカットボタンからは、ブックマーク、アドオン、以前のセッションなどをすばやく開けます。

スタートページと新しいタブページはいずれも、Firefox をよりパワフルで魅力のある、美しい製品にしていこうという Mozilla の長期的なビジョンの一環として改良を行いました。この目標に向け、今後のバージョンでさらにデザインを改善していく予定です。一足先に試したい方は Firefox のベータ版 を使ってみてください。

[これは米国 Mozilla のブログ記事 Update on Firefox 13′s Home and New Tab Redesign の抄訳です]

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