昨晩、Firefox のメジャーアップデート版「Firefox 4」が世界 80 か国語以上で同時リリースされました。
日本では、未曽有の大災害の中、今なお被災地で困難な状況を強いられている方が数多くいらっしゃること、そして、地震や津波が原因で様々な二次的被害が生じている状況で、ユーザの皆さんに Firefox 4 をお届してよいものか、本当に悩みました。
非営利法人である私たち Mozilla には、「地域、言語、人種に関わらず、全世界の人々に平等により良いインターネット環境を提供する」という大きな目標があります。
そしてオープンソース製品である Firefox は、世界中のボランティアの手によって作り出されています。ベータ版のテストやバグの報告、ドキュメントや製品の翻訳、プログラムの改良など、人によって参加形態や貢献の度合いは様々ですが、皆さんの力が集結し、製品というひとつのかたちを成していることには違いありません。
Firefox 4 の開発に参加してくださった方々の中には、おそらく今回の災害に遭われた方もいらっしゃるかと思います。
こうしたことを踏まえ、日頃ご協力いただいているすべての方々に心から感謝し、日本を含む全世界に向けて完成した製品を送り出すことが、今の私たちにできることではないかという考えで、昨日 Firefox 4 をリリースいたしました。
ただし、Mozilla Japan としては、リリースに際してのプロモーション活動などは自粛し、このブログのみでのお知らせにすることにします。
まだ当分の間厳しい状況が続くものと思いますが、日本が災害に負けず、活性化することを目指し、皆さんと一緒に今できることを考えていきたいと思います。
世界中の Mozilla メンバーも今の日本の状況に心を痛めています。米国 Mozilla Foundation 会長の Mitchell Baker から、昨日、日本のコミュニティに対して寄せられた メッセージ をここで紹介させていただきます。
残すところあと数時間で Firefox 4 のデスクトップ版がリリースを迎えようとしています。そして数日後にはモバイル版の Firefox 4 もリリースされることでしょう。私は、Mozilla プロジェクトがこの日を迎えるために、皆さんが一生懸命活動されてきたことを知っています。そして、今回の災害がなければ、このエキサイティングなイベントを心から楽しんで参加してくれたであろうことも。
Firefox 4 のグローバルでのリリースにあたり、日本の皆さんも Mozilla の一員であることを私たちは忘れていませんし、皆さんも同じ思いであると信じています。日本のコミュニティは、この数年にわたって様々な役割を果たしてきてくれました。今回のリリースだけが皆さんの活動のすべてではありません。
もし皆さんがリリースに際して必要だと思えることがあれば、どんな活動でも支援します。そして、皆さんが復興に向けて歩んでいくにあたって、私たちができる支援の方法を模索し続けていきたいと考えています。
Mitchell Baker
(抄訳)