Mozilla Japan ブログ

Mozilla、Firefox、Thunderbird の最新情報をお伝えします

個別記事アーカイブ

大幅な高速化が行われた最新 Firefox 4 ベータ版公開 - 新 JavaScript エンジンを搭載、グラフィックスも強化

今日、最新の Firefox 4 ベータ版 (Beta 7) がテスト用に公開されました。今回のベータ版では、いくつかの重要な技術を組み合わせることでパフォーマンスが強化されました。ひとつは、ジャストインタイム (JIT) JavaScript コンパイラ JägerMonkey [イェガーモンキー] の実装、そして、ハードウェアアクセラレーションを使ったグラフィックスへの対応強化 (Windows XP や Mac OS X も含む)、さらに WebGL によるプラグイン不要の 3D 機能が追加されました。

これによって、ページの読み込みがより速く、Web アプリケーションの動作がより軽快になり、Web を何倍も楽しめるようになります。開発者にとっては、より高度でパフォーマンスに優れたアプリケーションを提供したり、Web 本来の力を示す 3D の世界を探索したりすることが可能となりました。

また、Firefox 4 のアドオン関連の API が安定してきたため、アドオン作者の皆さんは、Firefox 3.6 用のアドオンを Firefox 4 へ対応するよう更新し始めていただけます。

今回のベータ版の新機能は以下の通りです。

JägerMonkey による JavaScript パフォーマンスの強化

JägerMonkey は、直接目にすることは出来ませんが、今回のベータ版の強力な新機能です。Firefox の JavaScript エンジン SpiderMonkey に、新しい JägerMonkey JIT コンパイラが統合され、さらに既存の TraceMonkey JIT と SpiderMonkey のインタープリタにも改良が加えられた結果、革新的で高度な Web アプリケーションの機能を十分に発揮できる速度が得られました。それだけでなく、起動時間が短縮され、一般的なページでも読み込みが速くなり、Web メールやオンラインゲームをよりスムーズに操作できるようになるなど、随所で高速化を実感できるはずです。

実際、Firefox 4 ベータ版はかなり高速になりました。下のグラフは、各種 JavaScript ベンチマークテストスイートを使った、最新のベータ版と、現行の Firefox 3.6、以前のベータ版との比較です。

パフォーマンス比較表: Firefox 3.6 と 4 Beta 7 を比較した場合、Kraken と SunSpider では 3 倍高速、V8 ベンチマークでは 5 倍性能強化

詳しくは、Firefox エンジニア David Mandelin のブログ記事 をご覧ください。

グラフィックスパフォーマンスの強化

今回新たに、ページの最終的なレンダリング過程である「合成」処理にハードウェアアクセラレーションを用いるようになりました。これによりゲームやアプリケーション、ギャラリーなど、高度でインタラクティブなコンテンツの読み込みが高速化され、応答性も向上します。Windows では (XP も含む)、ハードウェアアクセラレーションは DirectX テクノロジーを使って行われます。Mac では OpenGL が使用されます。

なお、グラフィックスカードやビデオドライバの中には、ハードウェアアクセラレーションに対応していないものもあります。Firefox 開発者の Joe Drew が、ハードウェアアクセラレーションの最新の改良点お使いのハードウェアがこの機能に対応しているか確認する方法 について詳しくブログで説明しています。

WebGL による 3D グラフィックス対応

今回のベータ版では、WebGL を使って 3D グラフィックスを表示させることが可能となりました。開発者は、壮大なゲームや鮮やかなグラフィックス、そしてまったく新しい視覚体験を Web 上で提供できます。ユーザにプラグインをインストールさせるは必要ありません。これは、3D グラフィックスを他の Web 技術とマッシュアップして、サイト上の他の要素とシームレスに統合された素晴らしいユーザ体験が実現可能になるということです。Firefox 4 ベータ版で WebGL コンテンツを楽しむには、Windows と Mac の場合、OpenGL 対応のグラフィックスカードが必要となります。Windows でその他のグラフィックスカードや (特に Intel GPU)、Linux については、今後のベータ版で対応を広げていく予定です。

OpenType による最高のフォント環境の実現

まるで活字で組まれた本のように、美しくレイアウトされた Web サイトが実現します。OpenType フォント機能への対応が行われたことで、デザイナーや開発者は、リガチャ、カーニング、異体字、オールキャップス、スモールキャップスなどを調整して、洗練された効果を生み出せます。詳しくは、Firefox のプラットフォームエンジニア John Daggett のブログ記事 をご覧ください。

HTML5 フォームの改良

今回のベータ版では、HTML フォームにも改良が加えられました。自動補完、バリデーション、新たなフォーム API を使って、きめ細かい HTML5 フォームを容易に作成できるようになりました。詳しくは Firefox 開発者 Mounir Lamouri のブログ記事 をご覧ください。

機能とパフォーマンスの融合

Firefox 4 は、Web を思い通りに体験できる、速くて楽しいブラウザになりつつあります。今回のベータ版は、Web ブラウジングを楽しく、スムーズに、そしてパーソナライズするたくさんの便利な機能 (Firefox Sync、Panorama、アプリケーションタブ、新しいアドオンマネージャなど) と優れたパフォーマンスを統合する大きな一歩となりました。本当に大きなマイルストーンです。

テスターの皆さんへ

これまでにベータ版のテストへ参加いただいたすべての皆さんに感謝します。引き続き フィードバック をお寄せください。Test Pilot によるユーザ調査へ協力したり (既に 100 万人以上が参加しています)、Firefox 4 ベータ版に組み込まれた Feedback ボタンを使ったりすることで (何十万ものコメントが寄せられています)、Firefox の改良を常に支えていただくことになります。友達にも今回のベータ版のことを教えてあげてください。みんなで力を合わせて、Firefox 4 を素晴らしい製品にしましょう。

既にベータ版をお使いの場合は、最新版 (Beta 7) へ自動的に更新されます。最終版へ向けてまだ何回かベータ版を予定していますので、数週間以内に公開される次のベータ版をお待ちください。

詳しくは以下のページをご覧ください。

[これは米国 Mozilla のブログ記事 Fasten Your Seatbelts - Firefox 4 Beta adds new JavaScript power and faster graphics の抄訳です。文中リンク先の一部は英語となりますのでご了承ください。ちなみに Firefox は、おととい 11 月 9 日、リリース 6 周年を迎えました]

前後の記事

前の記事: 北東アジア OSS 推進フォーラムでの特別貢献者賞で Mozilla から 2 名が受賞!
次の記事: Firefox Sync 1.5.1 が公開されました

コメント (5)

Fajrovulpo | 2010/11/15

原文で
> ligatures, kerning, alternative glyphs, small caps and more.
となっている箇所が
> リガチャ、カーニング、異体字、オールキャップス、スモールキャップスなど
となっていて,なぜか「オールキャップス」が追加されています。なぜでしょう?

Kohei Yoshino | 2010/11/15

原文が更新されていないだけです。間違いではありません。

Fajrovulpo | 2010/11/16

お答えありがとうございました。
> 原文が更新されていないだけです。間違いではありません。
分かりました。でも,「オールスモールキャップス」でなく「オールキャップス」で合っているのでしょうか?

Kohei Yoshino | 2010/11/17

「オールキャップス」「スモールキャップス」は別々です。Photoshop などのアプリケーションにも機能が入っていますので、検索してご確認いただければと思います。

Fajrovulpo | 2010/11/18

しつこくて申し訳ありません。
タイポグラフィー用語として all caps と small caps の意味は分かっています。前者はすべてを大文字にすることですね。
しかし,OpenType feature tag list
http://en.wikipedia.org/wiki/OpenType_feature_tag_list
を見ても,all caps に該当しそうなものが見あたりません。
一方,all caps ではなく all small caps であれば,smcp と c2sc の組合せで実現できますし,実際,
http://hacks.mozilla.org/2010/11/firefox-4-font-feature-support/
において,それをやった例が紹介されています。
ですので,「オールキャップス」と書かれたのは「オールスモールキャップス」の間違いではないのかな,と思ったのです。
なお,all caps のほうは text-transform: uppercase で実現するものではないでしょうか。