Firefox 3.6 がリリースされて今日で 3 か月。選んで楽しい 新テーマ機能 Personas (ペルソナ) が標準装備されたり、ページの表示や起動も高速になったりと、ぜひ早く使って欲しい新バージョンなのですが、お気に入りのアドオンが 3.6 に対応していないのでまだアップグレードできない、あるいは一度 3.6 をインストールしたけどダウングレードしてしまった、という方もいらっしゃるかと思います。ここで、アドオン (主に拡張機能) の対応状況についてまとめておきます。
代わりのアドオンが使える場合も
1 か月前にお伝えしたように、アドオンの 9 割以上は既に Firefox 3.6 に対応しています。リリース時点で未対応だったアドオンについても、最近対応が完了したか、別のもので代用できることがあります。
- All-in-One Gestures - 先週 3.6 対応版が公開されました。
- はてなツールバー - 昨日 3.6 対応版が公開されました。
- IE Tab は開発が止まっているようです。IE Tab Plus で代用可能です。
- TwitKit は開発が止まっているようです。新機能を加えて開発が継続されている TwitKit+ で代用可能です。
- Tab Mix Plus などが 3.6 に対応していないという表示が出たとの報告がありますが、既に対応していますので、[ツール] メニューから [アドオン] を選択すると開ける管理画面で更新チェックを行ってみましょう。
作者の皆さん、ローカライズに関わっている皆さん、対応ありがとうございます。
それでもまだ対応していないアドオンは?
その他のアドオンについては、何らかの理由で開発が終了してしまった可能性がありますので、あきらめた方が良いかもしれません。Firefox アドオン サイトで同じような機能を提供するものがないか探してみてください。
Mozilla のサイト (addons.mozilla.jp と addons.mozilla.org) に掲載されていないアドオンや、掲載されていても作者のサイトから直接インストールした場合は、更新チェックに対応していないことがあります。そうしたアドオンをお持ちの場合は、配布元に最新版がないか探してください。いつものことですが、信頼できない作者のアドオンをインストールしてはいけません。
アドオンによる不具合の解決方法
参考として、3.6 で不具合が報告されているアドオンも挙げておきます。これらは修正版が公開されるまで無効化しておいた方が良いでしょう。
- Fast Video Dounload - 新しいウィンドウやポップアップを開くのに時間がかかるようになります。
- FoxTab - ツールバーが、黒や青など設定した背景色で覆われ、操作できなくなります。
- Pearl Crescent Page Saver Basic - Ustream など一部のサイトで Flash コンテンツが表示されなくなります。先週公開されたバージョン 2.6 で修正されています。
一般的に、Firefox で動作異常やクラッシュ (強制終了)、フリーズ (固まって応答なしになる) が生じているときは、アドオンが原因となっている場合が多々あります。拡張機能やテーマのトラブルシューティング を参考にすれば、たいていの問題は解決できます。
自分でアドオンをインストールしたことがなくても、セキュリティ対策ソフトなど外部のアプリケーションによって追加されていることがありますので、[ツール] メニューから [アドオン] を選択してアドオン管理画面を開き、[拡張機能] と [プラグイン] のタブを選択して確認してみましょう。ウイルスバスターをお使いの方はこちらの記事をご覧ください。
アドオンを上手に使いこなすために (中上級者向け)
改めて説明するまでもなくアドオンは大変便利なツールですが、たくさんインストールすると Firefox の動作や起動・終了が遅くなる原因となることもあります。また似たような機能を持つアドオンを複数インストールすると、競合して不具合を引き起こす場合があります。色々なアドオンを試してカスタマイズを極めるのは楽しいことですが、普段使っていないものは管理画面で削除するか無効化してしまいましょう。
また、Firefox の プロファイル (個人用データセット) を複数作成して用途別に使い分ければ、一度に多くのアドオンインストールしなくて済みます。例えば私の場合、
- 普段使いのプロファイル - AutoAuth、Hidden Places、NoScript、Table2Clipboard
- Web 開発用のプロファイル - Firebug、JSONView、Server Switcher、User Agent Switcher など
- 他に、Google サービス専用、アドオンテスト用、Personas のデモ用など
といった感じで使い分けています。少しだけ準備に手間がかかりますが、慣れてしまえば「使い分け」のメリットを実感できるはずです。詳しくは、プロファイルの管理 や ライフハッカーの記事 を参考にしてください。
ちなみに、Add-on Compatibility Reporter をインストールすると、互換性チェックを無効にして、3.6 未対応のアドオンを有効化できます。これでうまく動くこともありますが、本当に機能的な互換性がないときは、最悪の場合 Firefox が起動しなくなるなど不具合を引き起こします。何か問題が起きても自分で対処できる方のみ、ご自身の責任で注意して使ってください。
アドオンの互換性を高める取り組み
Firefox 3.7 では、バージョンごとの互換性を高める Jetpack という新しいアドオンの仕組みが導入されます。興味のある方、特に開発者の皆さんは Mozilla Developer Street (modest) をチェックしてください。
コメント (1)
「配布元に最新版がないか探してください。いつものことですが、信頼できない作者のアドオンをインストールしてはいけません。」とのことですが、もちろん、作者自体への信頼も要素でしょうけど、信頼できる作者のサイトを騙ったところにだまされるリスクと対策について言及しないでいいんでしょうか。今のMozillaのセキュリティのアップデートモデルはそこも考えてのものだと思いますので、在野の情報交換ならともかく、Mozilla Japanのblogで言及するにあたってそういう基準でよいのかちょっと気になりました。