昨日、「Firefox 3.5」をリリースいたしました。日本でも、新しい Firefox をみなさまに無事お届けできたことに対し、コミュニティの皆様にあらためて感謝を申し上げます。
Firefox 1.0 では、「Web の選択肢」を掲げ、1.5 で「オープンスタンダードの意義 (Open Web)」、2.0 では、「Web サービスへの新たな可能性」、3.0で、「Web アプリケーションの新基盤」と、その都度、私たちのメッセージを伝えてまいりました。Firefox 2.0 の登場以降、ブラウザはユーザのライフスタイルに影響を与えるようになり、いまや「高速化」、「安全性」、「信頼性」は、ブラウザの機能としては当たり前のものになりつつあります。
そして、今回、Firefox 3.5 の登場にあたって、ユーザや開発者を縛りつけていた制約から解放し、自由で創造性豊かなインターネットの世界を提供するというメッセージを皆様に伝えたいと思います。
思えば 5 年前、Mozilla Japan を設立して、最初の記者発表会で、記者の方から「Firefox はどれぐらいのシェアを目標としてますか?」と質問され、大胆にも「20 % を目指します」とコメントしたことを今でも昨日のことのように覚えています。この時、会場にいた誰もが「とてつもない目標」と信じて疑わなかったはずです。しかし、この 5 年間で、日本でのブラウザを取り巻く状況は大きく変化し、いまやこの目標は現実のものとなってきました。
現在、各社が新しいブラウザの開発にしのぎを削り、再びブラウザ戦争が起こるのではないのかと揶揄する声もありますが、私自身は、今この状況を、開発者のみなさんが製品の向上のために力を注ぎ、その結果、ユーザに素晴らしいインターネット環境を提供できる機会が増えた、むしろ喜ばしい状況であると感じています。
そうした状況の中で、Firefox 3.5 のリリースは、ようやく私たちが掲げてきた真の "オープン Web" の世界へ近づくための、第一歩であるといえるでしょう。そして、この Firefox 3.5 の登場によって、Web に無限の可能性をもたし、「Web だから...」という既成概念を払しょくできると、期待しております。
今後もよりよい Web の世界を改革するべく、みなさんと協力していきたいと思います。
コメント (1)
> 3.0で、「Web アプリケーションの新基板」
新基盤 ですね。