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Mozilla から初となる「インターネット・ヘルスレポート」が公開されました

本日 (米国時間 1/19)、米国 Mozilla より、"Internet Health Report" という報告書の最初のバージョン (v_0.1) が世界に向けてリリースされました。

Mozilla は、オープンソースソフトウェアの開発や ウェブリテラシー教育、セキュリティやプライバシーの啓発活動など、さまざまな分野でインターネットが全ての人にオープンで有益なリソースとなるよう日々活動しています。

そして今日、あらゆるデバイスが接続され、私たちの生活になくてはならないインフラとなっているインターネットが「健康な状態」にある事は、非常に重要になります。

本日公開となった Internet Health Report は、インターネットの「健康状態」を、以下の 5 つの視点から分析し、定期的にレポートを刊行するオープンなプロジェクトです。

Open Innovation - How Open is it?

「オープン」とは、誰もが許可なく自由にウェブ上で発信したり、発明したりできることを意味してしています。ウェブを動かすテクノロジーは、透明性が高く、誰もがどういった技術なのか理解できることが重要です。

Digital Inclusion - Who is welcome online?

全ての人がインターネットへのアクセスについて平等な機会を持ち、自身の生活や社会の向上のためにインターネットを使えなければなりません。

Decentralization - Who controls the Internet?

ディセントラリゼーションとは、インターネットが多数によってコントロールされる状態です。つまり多数のデバイスがオープンなネットワークで相互接続されている状態で、誰か一人が中央でその全体を所有したり、コントロールできない状態が健康なインターネットです。

Privacy and Security - Is it safe and secure?

インターネットのセキュリティと安全性は全ての人に影響します。自分のデータがインターネット上でどうなっているかを知り、そのデータの使われ方を自分でコントロールする能力を身に着ける必要があります。

Web literacy - Who can succeed online?

全ての人が、デジタル世界において「読み」、「書き」、「参加」することで、より多くの人々がウェブを使うだけでなく作る側に回り、ウェブを形作り、守っていくことができます。そのために必要なスキルを得ることが重要です。

今回公開されたレポートは、プロトタイプにあたる「バージョン 0.1」です。Mozilla では、このレポートの公開をきっかけに、多くの人が「インターネット・ヘルス」について建設的な議論に参加したり、実際に行動したりすることを目指しており、レポートその物も、今後世界中からフィードバックを集めながらオープンソーススタイルで更新し、11 月には「バージョン 1.0」を公開する予定です。

現時点では、全 40 ページの英語のレポートですが、日本のインターネットユーザーにとっても重要で興味深い内容となっています。今後内容のアップデートだけでなく各国語へのローカライズも予定されていますが、まずはぜひ一度ご覧になって、感想や今後の進め方へのご意見などフィードバックを通して、この新しい試みにご参加下さい。

なお、日本の Mozilla 翻訳コミュニティでも、このレポートの翻訳の協力者を募る予定です。レポートの一部だけでも翻訳に参加してみたいという方は、翻訳コミュニティの Google Groups にぜひご参加ください。

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