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Firefox における NPAPI プラグインの取り扱いについて

[この記事は米国 Mozilla Future Releases ブログに掲載された "NPAPI Plugins in Firefox"の抄訳です]

NPAPI を利用するプラグインでしか実現できなかった機能をプラグインなしで利用できるように、Mozilla は常に Web プラットフォームを改善しつづけてきました。動画のストリーミング、最新のグラフィックス、そしてゲームを実現するために必要な機能。これらは数年前に Web API となっています。以前はプラグインを必要としていたクリップボードへのアクセスも、いまでは Web API を利用して実現できます。ブラウザと Web が発展してきたため、NPAPI はその役割を終えようとしています。プラグインはパフォーマンス低下やクラッシュ、Web 利用者に対するセキュリティ事故の温床となっています。

Mozilla は Firefox の ほとんどの NPAPI プラグインのサポートを 2016 年末までに打ち切ります。ユーザが必要な時のみプラグインの実行を許可するという、プラグインの手動での有効化から、このプロセスが始まりました。この決断は Google Chrome や Microsoft Edge のような他のモダンブラウザにも波及し、これらはレガシーとなっているプラグインのサポートを取りやめることとなりました。また 64-bit Window のような、新しいプラットフォームにおける Firefox は最初からプラグインのサポートをしていません。

Adobe Flash は多くのユーザにとって、Web の一部となっています。そのため Flash だけは例外的にサポートを続けます。Firefox で Flash を気持ちよく利用できるように、Mozilla と Adobe は協力して安定性やパフォーマンス、機能面、セキュリティ面の改善を続けていきます。

プラグインに関する戦略の一環として Mozilla と Unity は、 Unity を利用したコンテンツをプラグインを必要することなくブラウザ上で体験可能とするために緊密に協力することと、そのためのロードマップを共同で発表しました。進化を続ける技術に対応すべく更新された Web Player 技術に関するロードマップを、Unity はアナウンスしました

Sliverlight や Java といったプラグインを利用しているサイトや製作者は、それらの Web 技術への転換を急ぐ必要があります。プラグインのできるほとんどのことは、Web 技術で実現できます。Web 技術を拡張する必要に迫られる場合は、アドオンのような形で拡張機能を実現するとよいでしょう。サイトを管理しているなら、2016 年末に訪れる、Firefox によるプラグインのサポート停止に備えなくてはなりません。

Mozilla と Oracle の Java プラットフォームグループは、Java を利用しているサイトのスムーズな切り替えのために協力して活動しています。Oracle の発表した Java の切り替えに関するプランはこちらでご覧になれます。Oracle は Java アプレットを利用しているサイトは Java Web Start のようなプラグインを必要としないように変更することを勧めています

Mozilla はサイトの変更の「痛み」を可能な限り少なくしたいと考えています。Web でできることは広がり、プラグインの必要性はなくなりつつあります。Mozilla はプラグインが必要になるような場合をなくすために、Web プラットフォームを懸命に改善しづけます。このアナウンス、および Firefox におけるプラグインの取り扱いに関する議論は Mozilla plugins development のメーリングリストで行われています。

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