2015年3月18日、東京都内において、「緊急開催! Mozilla CTO Andreas Galと語る会」が、株式会社 KDDI 様のホストで開催されました。
Mozilla の最高技術責任者 (CTO: Chief Technology Officer) であり、Firefox OS の開発責任者でもあるAndreas Galは、ふだんは日本に来てもビジネスミーティングばかりでトンボ返りすることが多いため、日本のコミュニティのメンバーと直接交流する機会として、このようなオープンな交流会が行われました。
今回のイベントは、ガルの来日に合わせて急きょ企画されたため、募集期間は1週間もありませんでしたが、50 名近いメンバーが参加してくれました。さらに、Mozilla のトップハッカーの1人で、Firefox OS の IME (キーボード) や Gaia システムなどを担当する Tim Chien や、KDDI との開発ワークウィークに出席していた Mozilla 台湾のメンバー、ドイツテレコムの Firefox OS 担当者らも参加してくれました。
交流会は、カジュアルな雰囲気のなかで行われ、Firefox OS やそれを搭載したスマートフォン、さらには開発プロジェクトの貢献などについて率直な意見交換が行われました。たとえば、「スマートフォンの製品ライフサイクルと、進化の早い OS / フレームワークとのバランスをどのようにとるべきか」「スマートフォンだけでなく、テレビのように世界の地域ごとに規格が異なる製品で、地域ごとの連携をどのように進めているのか」「セキュリティやユーザーインターフェースの開発に、どのように貢献するのか」「アプリケーションの少なさをどう改善してくのか」「Adblock のような拡張が利用したいが、OS のブラウザに拡張機能はつくのか」といったテーマについて、密度の濃い情報交換が行われました。
Gal や Chien からは、「いずれの課題も、仕様や機能をモジラ財団の限られたメンバーで決めて、Firefox OS として供給したくない。コミュニティの人々と協調して、開発を進めていきたい。みなさん自身が、アプリを開発してダウンロードしてもらったり、OS 自体の開発に参加してもらう事もできる。ぜひ日本のコミュニティからも、参加して欲しい」という一貫したメッセージが伝えられました。
短い時間でしたが、Firefox OS のオープン開発の徹底ぶりが、開発のコアメンバーから伝わってきて、日本で Firefox OS によるモノづくりに関わる人々にとっても、一段とやる気の出たイベントだったのではないでしょうか。
(テクニカルライタ- 可知 豊)