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Mozilla の今後について

[これは米国 Mozilla のブログに掲載された Mozilla 会長 Mitchell Baker のメッセージ Mozilla Moving Forward の抄訳です。]

Mozilla は現在、予想だにしなかったリーダーシップの変遷期に直面していますが、Mozilla の理事メンバーである Reid Hoffman および Katharina Borchert と共に、私は役員変更についての次の一歩をここで発表します。Mozilla Corporation の理事会メンバー兼暫定最高経営責任者 (CEO) として Chris Beard が就任することになりました。

理事会メンバーの一員として Chris を迎え入れる案については、数カ月前に検討を開始しました。Chris は、大半のメンバーよりも長い間 Mozillian として存在し、Firefox 1.0 の提供開始前から現在に至るまで、積極的に Mozilla に参加してきました。Chris は、私たちの革新的なプロジェクトの大半について指揮管理を担当した経験を持ち、彼の Mozilla に関するビジョンや感覚は、皆のそれと一致しています。私は 10 年近くもの間、Chrisの判断やアドバイスを頼りにしてきました。Mozilla について熟知している Chris を理事会に招き入れるのに、今は絶好のタイミングと言えます。

また、Chris には暫定 CEO にも就任してもらうことになりました。この変遷期を率いるのに、彼以上に適任な人物は存在しません。Mozilla のミッションを理解し、私がこれまで見たこともないようなプログラムや活動、製品のアイデアへと昇華させる方法について、Chris は最も明確なビジョンを持つ人物の 1 人です。Chris の経歴ですが、Mozilla の草創期には製品、マーケティング、イノベーションの各チームの指揮を担当しました。最近では、最高マーケティング責任者 (CMO) として、Android 版 Firefox と Firefox OS の初披露を Mobile World Congress (MWC) で行うなど、ユーザ、開発者、コミュニティ向けのグローバルなエンゲージメント活動を指揮しました。Chris は、この時期を導く上で適任者であり、強力な CEO 候補者です。

Mozilla に求められているのは、決断力のある迅速な行動です。これは暫定的であるか否かに関わらず、CEO をはじめ、Mozilla のリーダー全員にとって欠かせない要素です。Chris の経験と洞察は、私たちの目標と極めて合致しています。オープンな Web 技術のみが実現可能な独自のユーザ体験を理解いただく中で、私たちは 2014 年も Firefox OS を新たな市場やフォームファクタへお届けしていきます。一方、Firefox ユーザの皆さんには、Web の豊かな機能や柔軟性を今後もお届けしつつ、サービスのさらなる統合を図っていきます。

オープンな Web と Mozilla が目下直面している課題は、私たちが Mozilla を立ち上げた当初の課題と非常によく似ています。つまり、一元的なビジネスモデルとテクノロジによって存在する、相互運用性や新規参入への障壁です。現在、オンラインの生活は豊富な機能に彩られていますが、一元化が進んでおり、その中心に位置するのは、私たちの体験のほとんどすべての側面について支配を行使する一握りの巨人です。こうした環境の中、オープンで魅力的な代替手段を確立し、オープンな Web 技術がこうした状況に何をもたらすのかを理解する必要性が、早急にそして強く存在しているのです。

Mozilla は現在このような代替手段を世界に向けて構築しています。そして、これこそが私たちの存在理由なのです。これはまた私たちがミッションと目標を分かち合い、全員一丸となって取り組む理由でもあります。最近の一連の出来事については、Mozilla のリーダーシップを発展・拡大させるための原動力として活かしていきたいと思います。Chris が暫定 CEO に就任することは、こうしたプロセスの第一歩です。次の一歩としては CEO 職の長期計画のほか、Mozilla の成功を後押しできる理事会メンバーを加えるとともに、Mozillian 一人ひとりがリーダーとして自らのポテンシャルをフルに発揮できるよう、彼らを積極的にサポートするというこれまでの活動を続けていきます。

会長 Mitchell Baker

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