このたび、Mozilla Science Lab を立ち上げたことをお知らせいたします。Mozilla Science Lab は、世界中の研究者がオープン Web を利用して科学の未来を築くことができるようにする、新しいイニシアティブです。
Web を 創り出したのは科学者たちです。しかし科学分野では、オープン Web はメディア、教育、ビジネスなど科学以外の分野にもたらしたほどの変革を、科学研究の進め方にもたらすには至っていません。20 世紀のすばらしい発見のどれを見ても、科学は未だにその多くが「アナログ」の時代に根差すものです。たとえば、科学分野の認定システムは今なおほとんどが「紙」ベースで行われており、そのため、研究者たちは Web を利用すれば可能になるオープンなコラボレーションによる研究の共有、学習、再利用、応用をあきらめてしまうこともしばしばです。
Science Lab では、オープン Web のコミュニティと研究者間の対話を促して、こうした課題に取り組みます。コミュニティと研究者たちが、次世代の Web ソリューションを使用するためのアイディア、ツール、ベストプラクティスを共有して、科学分野の真の問題を解決し、より迅速に連携して研究を進める方法を模索します。
責任者 Kaitlin Thaney
このプロジェクトの責任者は Kaitlin Thaney です。彼女は長年にわたってオープンサイエンスを提唱してきました。Creative Commons で科学プログラムの立ち上げと管理を支援し、それ以前は、研究用ツールと科学分野の新興企業育成を中心とするテクノロジ企業、Digital Science に勤務しました。また、デジタルインフラストラクチャ、データ集約型科学、さらには科学研究をより連携したオープンで再現性のあるものにするための教育について、政治家たちへのアドバイスも行っています。
科学者のためのデジタルリテラシー
Kaitlin に協力するのは Greg Wilson です。Wilson は、研究者たちの生産性を高めるためのスキルを教えるプログラム、Software Carpentry の創設者です。Software Carpentry は過去 1 年間に 70 件以上のワークショップを実施し、2,200 人以上が参加しました。このプログラムは順調に発展しており、今後 12 か月間に参加者数は倍増すると予測されています。Software Carpentry は Mozilla Science Lab のプログラムの 1 つとして、「デジタルリテラシー」が科学分野の研究者にとってどのような意味を持つか、また、そうしたデジタル関連のスキルが研究者たちの作業にどのように役立つかを模索していきます。
グローバルな話し合いの場を提供
Mozilla Science Lab は、アルフレッド・P・スローン財団の支援を受け、既存のツール開発会社と協力して研究者のグローバルなコミュニティを支援しながら、まずはオープン Web のアプローチとスキルのトレーニングについて幅広い話し合いの場を提供します。
参加しよう
この話し合いに参加する方法については、今後詳細をお知らせしていきます。引き続きご注目ください。それまでのあいだ、次のような活動に参加していただけます。
• このプロジェクトの詳細は、Mozilla Science Wiki でご覧いただけます。
• Twitter で @MozillaScience および @kaythaney をフォローしてください。
• Kaitlin のブログで、このプロジェクトの進展を見守ってください。
[これは米国 Mozilla のブログ記事 Introducing the Mozilla Science Lab の抄訳です。文中リンク先は英語となりますのでご了承ください。]