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Mozilla と Samsung は次世代 Web ブラウザエンジンの共同開発を進めています

Mozilla はすべての人のためにプラットフォームとしての Web を前進させることを使命としています。私たちはこの使命を果たすため Mozilla Research で、Web ブラウザを支えるコア技術として次に来るものは何か試しています。将来の高速で、マルチコア、ヘテロジニアスコンピューティングアーキテクチャを活用できるよう準備していく必要があります。そのため私たちは先端技術を用いた Servo という Web ブラウザエンジンの開発に向けて、Samsung との共同開発を最近開始しました。

Servo は従来の前提を見直し、Web ブラウザを最新のハードウェア用に根本から作り直す取り組みです。つまり、将来の超並列ハードウェアの性能をフル活用できるプラットフォーム設計を行うと同時に、セキュリティ脆弱性の原因にも対処していきます。この目的を達成するため、Servo は Mozilla が増え続ける支援コミュニティと共に開発している安全なシステム言語 Rust を用いて書かれます。

本日、Mozilla は Samsung と共に、プログラミング言語 Rust と実験的な Web ブラウザエンジン Servo を Android と ARM に対応させたことを発表できて嬉しく思います。これは両プロジェクトの進化と、モバイルでの Servo についてより深く研究していけるようになる素晴らしい一歩です。Samsung は既に Rust の ARM バックエンドと Android へのクロスコンパイルに必要なビルドインフラの開発を始めとした多くの改善に貢献しています。開発はまだ始まって間もないですが、コードは GitHub で公開 されており、誰でもダウンロードして試して頂けます。

本日バージョン 0.6 をリリースした Rust 言語は、既に何年もの開発を経ており、急速に安定してきています。この言語では効率的でハイレベルな、マルチパラダイム抽象化、ハードウェアリソースの正確な制御を備え、ここ数十年 C++ 言語では埋められなかった問題の解決を目指しています。それに限らず、クラッシュやセキュリティ脆弱性に繋がるメモリ管理エラーの類を防ぎ「デフォルトで安全」となるよう設計されています。Rust 言語は軽量な同時基本命令機能を備えており、現在そして将来のコンピューティングプラットフォームで使われるメニーコア CPU の力をプログラマが簡単に活用できます。

来年には、Rust 最初のメジャーバージョンを完成できるよう、機能の整理・拡大、ドキュメントやライブラリの準備、開発しやすくするツールの作成、性能向上を急ぎ進めています。それと同時に、更に多くのリソースを Servo に投入し、安全かつ楽しく書ける言語を用い至る所で並列処理を行うことで、高速な Web ブラウザを実現できると実証するつもりです。私たちと Samsung の開発者達はモバイルプラットフォームでの機会に徐々に目を向けていっています。いずれの取り組みもまだ初期段階のプロジェクトであり、まだすべきことは多く、あなたも参加していただくには今が良いタイミングです。

現在の開発状況を確認したり、プロジェクトに貢献いただくにはまず、リリースしたばかりの Rust 0.6 をお試しいただくか、RustServo のソースコードを GitHub から取得し、Rust (https://mail.mozilla.org/listinfo/rust-dev) や Servo のメーリングリスト (https://lists.mozilla.org/listinfo/dev-servo) に参加してください。

- Brendan Eich, CTO, Mozilla

[これは米国 Mozilla のブログ記事 Mozilla and Samsung Collaborate on Next Generation Web Browser Engine の抄訳です]

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